まいど(c_c)/
テレビを観ていると、「みずほ銀行のATMが利用できない期間がある」というCMが流れています。
数日間使えないタイミングもあるので、みずほ銀行の口座を持っている人は、気を付けましょう!
今回のATMなどの臨時停止は、新システム完成に伴う移行作業をおこなうためのものです。
2019年にかけて9回に分けて作業が行われます。
ATMを含めたオンラインサービス臨時休止の裏で、一体どのようなことをやっているのでしょう?
みずほ銀行ATMなどオンラインサービス休止
みずほ銀行は、2018年6月から2019年にかけて、9回にわけて、ATMやネットバンクなどのオンラインサービスを休止します。
テレビCMも流れていますね。銀行ATMの利用停止がテレビCMで流れるのは、なんだか久々な感じがします。
休止するみずほ銀行のサービス
◆法人・個人のお客さま
・みずほ銀行のATM/CD・通帳繰越機のご利用・みずほ銀行のキャッシュカード・カードローンカードによるすべてのATM(みずほ銀行以外の提携金融機関、コンビニATMを含む)のご利用
◆法人のお客さま
・法人向けEBサービス[みずほe–ビジネスサイト・パソコンサービスなど]のご利用・社内キャッシュサービスのご利用
・みずほビジネスデビットのご利用
◆個人のお客さま
・みずほダイレクト[インターネット/モバイル/テレホンバンキング]、インターネット残高照会サービスおよび関連アプリ・サービスのご利用・みずほ銀行のキャッシュカードによるデビットカードサービス(J–Debit)・みずほJCBデビット・みずほWallet・Pay–easy(ペイジー)口座振替受付サービスのご利用
・即時口座振替サービス「アドバンストデビット」のご利用
・ATM宝くじサービス・宝くじラッキーラインのご利用
・電話投票制度普通預金口座からの入出金およびJRAペイジー入金サービスのご利用
*馬券購入は事前に入金済の残高の範囲内で可能・輸出入・港湾関連情報処理システム(ダイレクト口座)のご利用
臨時休止の期間中オンラインサービスが使えません。
オンラインサービスとは、ATMとか、インターネットバンキングのことです。
みずほ銀行のキャッシュカードでは、みずほ銀行のATMはもちろん、コンビニATMや、他の銀行のATMも使うことができません。
みずほ銀行の口座を持っている人で、現金が必要な人は、あらかじめ引き出しておきましょう。
みずほ銀行のデビッドカードも使えません。別のカードを利用しましょう。
電話投票制度普通預金口座、JRAペイジーなんてものもあるんですね。
オンラインサービス休止について
https://www.mizuhobank.co.jp/transition/online_stop/index.html
みずほ銀行の設立経緯
そもそも、みずほ銀行ってどうやってできた銀行なんでしょうか?
みずほ銀行は、2002年4月に富士銀行、第一勧業銀行、日本興業銀行が合併して設立されました。
正確には、個人を主な顧客にしたみずほ銀行と、法人を主な顧客にしたみずほコープレート銀行に、再編されました。
その後、2013年7月にみずほ銀行とみずほコーポレート銀行が合併して、現在のみずほ銀行になりました。
CMなどで「One Mizuho」って言っているのは、この合併があったからですね。
みずほ銀行設立前の、富士銀行、第一勧業銀行、日本興業銀行は、3行とも巨大な銀行で名門の銀行でした。
銀行の関連会社やビル名などは、合併前の名前が残っていることが多いのですが、淀屋橋には「興銀ビル」なるものが残っています。
みずほ銀行ができても、合併前のそれぞれの銀行にプライドがあったのでしょう。
法律上は第一勧業銀行が存続銀行になっていますが、どこかの銀行が吸収するような形ではなく、3行が対等に合併を進めました。
それが、悪夢を引き起こします・・・
みずほ銀行設立時のシステム障害
ATMが使えない、未処理、二重引き落とし
2002年4月にみずほ銀行が設立された当日から、システム障害が発生しました。
みずほ銀行設立当初は、旧3銀行のシステムをそれぞれ、リレーショナルコンピュータでつないで、処理をする予定でした。
しかし、それが上手くいかなかった・・・
日中は、ATMの動きが遅くなったり、ATMの処理でエラーが出たり、残高がおかしく表示されたり、現金が出なかったり、様々なトラブルが表面化しました。
夜間になると、口座振替などの引き落とし処理で、引き落とし処理がされなかったり、二重引き落としされたりする障害が発生しました。
銀行のシステムでは、日中に、窓口やATM・ネットバンキングなどで受け付けた手続きを処理する「オンライン処理」と、日中に、口座振替や給与振り込みなど、集中で処理する「バッチ処理」があります。
オンライン処理とバッチ処理は、一連の流れで処理されます。
オンライン処理が終わらなければ、バッチ処理を始めることができません。逆に、バッチ処理が終わらなければ、オンライン処理を始めることができません。
バッチ処理で大量の未処理が発生すれば、オンライン処理に影響が出ます。
初日には、未処理の取引だけで10万5千件あったそうです。さらに、4月5日には未処理が250万件以上、二重引き落としが3万件まで積み上がってしまい、どんどんと影響が広がってしまいました。
みずほ銀行システム障害の原因
みずほフィナンシャルグループ大規模システム障害(失敗知識データベース)
http://www.shippai.org/fkd/cf/CA0000623.html
みずほ銀行の新システムとは?
みずほ銀行の新システムとは、いわゆる勘定系システムです。銀行の業務の根幹を担う、最重要システムです。
インターネットバンキングや、他行との振込(内国為替)など、銀行では様々なシステムが使われていますが、全て勘定系に繋がっています。
みずほ銀行の新システムは、2012年に開発が始まり、2016年3月に完了する計画でした。しかし、開発完了は2回延期されました。
みずほ銀行の新システムは、開発費が4000億円台半ば、ピーク時の開発要員は7000~8000人、超巨大システムです。
東京スカイツリーの総事業費が約650億円らしいので、みずほ銀行新システムの開発費だけで東京スカイツリーが7基建ちます!!
めちゃめちゃ巨大なプロジェクトですが、ほおっておけば、もっともっと巨大なシステムになっていたかもしれません。
新システム移行に合わせて、旧3行の勘定系にあった業務と商品を全て移行するのではなく、必要最低限の業務と商品に絞りました。
業務と商品が減れば、プログラムもデータも削減できるので、新システムの移行作業がしやすくなりますし、移行後の運用が楽になります。
働き方改革が叫ばれる現在、新システムを使って、新しい業務フローをつくって、新しい仕事の進め方を推進するようです。
そもそも、銀行が合併する最大のメリットは、重複するコストの削減です
そうゆう意味では、みずほ銀行は、新システムへの移行が完了して、ようやく合併のメリットを享受できるのかもしれません。
オンラインサービス休止の裏で何をやっている?
新システムへの移行は段階的に
みずほ銀行は、新システムへの移行を9回に分けて段階的に進めます。
旧みずほ銀行店舗、旧みずほコーポレート銀行、それぞれの店舗毎に移行スケジュールが決まっています。
新システムへの移行スケジュールについて
https://www.mizuhobank.co.jp/transition/migration/index.html
店舗毎・商品毎の顧客データを移行します
オンラインサービスを休止するのは、みずほ銀行全体に影響があります。
ただ、その裏でやっている新システムへの移行作業は、店舗毎・商品毎の顧客データの移行と確認なので、毎回、対象の店舗や商品が決まっています。
現在のシステムと、新システムでは、データの形式が違うので、新システムの形式に変換する作業が必要になります。
作業といっても、もちろん手作業ではなく、移行のために開発した、移行プログラムを使います。
すべて、綺麗なデータばかりなら良いのですが、たまに大昔の変なデータがあったり、移行処理はドキドキもんです。
もちろん、事前に確認や、テストをしていますが、全て終わるまでシステム担当者は、大変だと思います。
9回のシステム移行のショットで、初回は旧みずほコーポレート銀行の顧客が移行対象になっています。旧みずほコーポレート銀行の顧客は法人顧客です。
もちろんトラブルはないことに越したことないですが、何かしらは起こります。
そのときに、個人顧客に広く影響が出るよりも、法人顧客だけで影響をとどめた方が、社会的損失は小さいと考えているのでしょう。
みずほ銀行では、合併時のシステム障害を教訓にしているでしょうし、開発完了を2回延期してまでしっかりプロジェクトを進めてますので、大きなトラブルは発生しないでしょう。
いや、大きなトラブルがないことを祈ります、、、